売木村山村留学センター
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売木村の山村留学ブログ

11月3日

10月7日に刈ってから、はざに干していた稲。雨の日がとにかく多かったので、濡れたり乾いたりを繰り返しながら4週間が経ち、なんとか脱穀できるくらいの水分量になったので、11月3日、脱穀を行いました。午前中は中学生が2人、総合的な学習の関係で登校して不在だったので、ミーティングの後、8人はまず田んぼへ。
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いきなり、動力脱穀機"ハーベスタ"を使う体験をすることにしました。使い方の説明を聞き、役割分担をして、それぞれの持ち場へ。はざから稲束を外し、
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稲束を受け取った子が、ハーベスタに通すと、
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あっという間に藁が送り出されます。機械の中では、脱穀された籾米の選別も行われ、藁くずや実入りの悪い籾米は飛ばされ、設置した袋の中に重い籾米がどんどんたまっていく仕組みです。
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ハーベスタをはざにそって移動し、稲束を次々送り込んでいくと、凄い速さで脱穀と選別が行なわれていきました。しかし、機械も完璧ではないので、送り出されてきた藁をチェックすると、稲穂が残っていることも...。完全に脱穀されていないものは、戻され、再び送り込まれます。チェックする役割の子たちが何人いても、機械の速さには追いつかず、すぐに藁の山ができてしまいました。稲束の中の方に残っている稲穂などは、何回送り込んでも脱穀されないことがあったので、途中からは稲穂を抜き取って集めてから機械にかけ、確実に脱穀されるようにしました。学園生たちは、自分がどの作業をすればよいかを考えて、動いていました。
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長い間、藁をチェックして稲穂が残っているものを見つける作業をしていた子たちも、はざにかかっている稲束が少なくなってきたので、役割を交代し、巻き込まれないよう気をつけながら稲束を機械に送り込んでいました。全ての藁をチェックするのに時間はかかりましたが、はざにかけていた稲束をハーベスタで脱穀・選別する作業は無駄口を叩く暇もないくらいの速さで、終了。機械を始動してから1時間強でした。束ねた大量の藁や、はざの三脚や竹の棒を、センターまで手分けして運び、田んぼの片づけも正午過ぎには終わりました。
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午後は、倉庫前広場に道具を準備し、昔ながらの方法での脱穀体験をすることに。脱穀するのはセンターのフェンスに干していた稲束で、午前中にハーベスタで脱穀した量の3分の1くらいをお昼前に皆で倉庫前に運んで山積みにしておいたもの。長靴を脱いでブルーシートに座った学園生たちは、まず、稲束から稲穂を1本抜き取り、手の指で、稲から籾をしごきとる最も原始的な方法を試みました。そして、10人がそれぞれ 1本の稲に何粒のお米が実ったのかを数え、ちょうど算数で平均の出し方を習っている小学5年生たちが平均値を求めると、100粒ほどになりました。田植えの時には、一か所に3~4本の苗を植え、それが分けつし、稲刈りの時には1株が20本ほどになっていたので、蒔いた種籾1粒からおよそ500粒収穫できたことになります。学園生たちは、お米がもの凄く効率のよい作物だということを実感した様。
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次に、3グループにわかれ、千歯こきや足踏み脱穀機といった道具を試してみることに。千歯こきや足踏み脱穀機で脱穀しても、籾米がとれていない稲穂は、手の指でしごきとることにし、全員が3つの方法を体験できるよう、交代しながら作業しました。稲束を広げ、千もはないけれども櫛状に並べられた鉄の歯に通して、手前に引くと、下で受けるバットに、籾米がバラバラッと落ちる千歯こき。継続生は去年も体験しているので手際がよく、稲穂を1本ずつ手でしごきとる方法より随分効率が良いことを同じグループの子に見せていました。
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足踏み脱穀機は、踏板を足で踏んで、逆V字型の針金を埋め込んだ円筒形のこぎ胴を回転させ、そこに稲束を押しつけると籾米がとれる仕組みです。センターに保管してある足踏み脱穀機は古い道具ですが、2台ともすこぶる快調!
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しかし、踏板を速く踏むことばかりに意識がいくと、手元の稲束をしっかり握っておくことが疎かになり、こぎ胴に稲束が巻き込まれて引きずり込まれそうになる危ない場面も何度かありました。
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また、とてもよく育った長い稲を持て余し、こぎ胴にちゃんと当てることが難しかった子たちも。一人で、足で踏板を踏みながら、手に持った稲束を脱穀することを行うのは難しいので、踏むことと脱穀することを分業して進めるグループもありました。集中してしばらくやっていると、回転音と、脱穀機に被せたござに とれた籾米がパラパラパラッと勢いよく当たる音が、一定のリズムで響くようになりました。反対側でバットに籾米を受ける子が「いっぱいになったから、止めて~!」と叫ぶ声が、短い間隔で聞こえるようにもなり、脱穀が捗り、藁の山がどんどん高くなっていきました。千歯こきより後の時代に登場した足踏み脱穀機を用いると、作業効率が格段にあがることが本当によくわかった様子。
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最初は、千歯こきを上手く使いこなせていなかった子も、何度か試したりコツを教わったりするうちに、一度に扱きやすい稲束の適量がわかった様。ハーベスタや足踏み脱穀機のすごさを体験してしまうと、千歯こきは能率が悪いと感じますが、楽しそうに脱穀をしていました。
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脱穀した籾米は、藁くずなどを取り除くためにふるいにかけ、樽にどんどんたまっていたので、唐箕を使って風選作業も体験することに。社会科の教科書に載っていて知っているけれども、実物を見たり使ったりするのは初めてと、興味津々の子どもたちでした。
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唐箕は、ハンドルを回しておこした風で、重い籾米と軽い籾米にわけ、実入りの悪い籾米や藁くずを飛散させ、選別する道具。説明を聞いてから役割分担をし、実際に使ってみましたが、いつの間にかハンドルを逆方向に回していたり、ハンドルを回していない時に籾米をじょうごに入れてしまったり...と、いろいろなハプニングがありました。
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唐箕を発明した先人への尊敬の念を抱きながら、楽しげに風選作業を体験する子たちもいました。グループごとに交代しながら唐箕での選別体験をし、それ以外の子たちは、ブルーシートの上に散乱している 完璧に脱穀できていない稲穂を扱いたり、籾米を拾ったり。ひたすら根気のいる作業でしたが、皆 地道にやっていました。唐箕で選別した籾米は、念のため、文明の利器"ハーベスタ"に頼って、もう一度選別。案の定、石が入っていたようで、機械が壊れそうな音がしていました! すっかり日が暮れてしまったので、ライトをつけて片づけ。最後に、ハーベスタの構造を知るためにカバーを外して中をのぞくと、足踏み脱穀機と同じ円筒形のこぎ胴が入っており、「なるほど!」と子どもたち。午前と、午後の作業を振り返り、ハーベスタの並外れた能率に感心。午後5時45分までかかりましたが、先人の知恵や工夫が凝縮された脱穀機や選別機の発展の歴史を辿る貴重な体験ができた1日となりました。籾米は、この後、籾摺り・精米という工程を経ます。新米で作ったおこわや搗いたおもちを食べられる日は、もうすぐです!

18/11/14

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