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村長だより

北海道下川町視察 (2013.12. 5)

12月1日から3日にかけて、北海道上川郡下川町へ視察に行きました。
下川町は、平成20年環境モデル都市の認定を受け、平成23年には環境未来都市(森林未来都市)に選定、平成25年にはバイオマス産業都市の認定を受け、町の約90%の森林を活かした街づくりを進めております。木質バイオマスエネルギーを有効に利用した街づくりを研修するため、産業課職員、観光課職員、議長、私の8名で行きました。
12月1日朝5時役場を出発し、中部国際空港(セントレア)8時45分発旭川行きの飛行機で向かいました。旭川には10時半に到着しました。旭川は一面の銀世界でした。2s-DSC_0629.jpgs-DSC03568.jpgレンタカーに乗り込み下川町に向かいました。北に向かうに従い雪は強く降り出し、周りの積雪はどんどん増えてまいりました。北海道の道路は見渡す限りまっすぐです。雪があっても走る車のスピードは普段と変わらないような速さで行き来をしております。s-IMG_4092.jpg途中、名寄の道の駅で休憩をしました。この道の駅はもち米の里ということで、もちを特産品に売り出しておりました。美味しい大福餅をいただきました。s-DSC_0632.jpg北へ向かって走ること3時間、下川町役場に到着しました。日曜日だというのに町長さんにも出迎えていただくなど、温かく私たちを歓迎してくれました。応接室でご挨拶をさせていただき、売木村の特産品のかぼちゃ焼酎いいじゃんかとたかきびまんじゅうを差し上げました。環境未来都市推進課長さんが今日から明日まで案内をしていただけることになりました。s-DSC03579.jpgs-IMG_4094.jpg地域資源を使った環境未来都市を目指す下川町。その最前線で活躍する課長さんは、非常に熱い思いを持った方で、お話の中から熱意が伝わってまいりました。

早速、役場の隣にあります木質バイオマス施設の視察から始まりました。6s-DSC_0634.jpg6s-DSC03586.jpgこの施設内にある木質ボイラーを利用して温めた温水を役場、公民館など公共施設の暖房に使っております。化石燃料と比べた削減効果は年間1615万円にもなっており、町全体での木質バイオマスボイラー導入に伴って削減できた経費で子育て支援事業、ボイラーの更新時の費用等として基金に積み立てをされておるとのことです。6s-IMG_4104.jpg
ボイラー用の燃料チップを製造している施設を見させていただきました。6s-IMG_4106.jpg以前は切り捨て間伐で山に放置されておりましたが、それを今は搬出して木質チップの材料として加工をしております。良いところは集成材などの加工品に使われ、曲がったところ等製品にならないところはこの工場に持ち込まれます。
7s-DSC03588.jpg7s-DSC03592.jpg8s-DSC03591.jpg
NPO法人森の生活に視察に行きました。説明をしていただいた代表の方は名古屋市出身の方であり、とても身近に感じました。9-1s-IMG_4110.jpgここでは、フォレストツーリズムや子どもたちへの森林環境教育など、町と協力して都市住民を受け入れ、森に関するいろいろな事業を行っております。若い人達が森の重要性を考え、子どもたちに伝えていくことは、大変重要なことだとお話を伺いました。

降り続く雪の中、次の視察地、環境共生モデル住宅(エコハウス)美桑に寄りました。9-2s-img-Z04152933-0001 - コピー.jpg               (写真:下川町エコハウス推進地域協議会パンフレットより)
一歩足を踏み込むと、その暖かさに驚きました。下川町産の木材からつくられた木質断熱材を使用し、また地中熱ヒートポンプを使った暖房設備、隣接する木質バイオマスボイラーから供給を受けた温水により、住宅内はひときわ暖かさを保っております。二階に上がると仕切りはなく開放的な間取りになっておりますが、引き出し式の障子を開閉でき、プライベート空間も作れる斬新な設計となっておりました。お風呂は、下川町産木材を使った桶で、大きな窓は露天風呂気分も味わえる素晴らしい造りになっておりました。9-3s-IMG_4114.jpg

隣にあります今夜の宿、五味温泉に着きました。
早速下川町の取り組みについて研修を受けました。10s-DSC03601.jpg今まで見た施設のお話、これからの下川町の目指す方向についてのお話を伺いました。地域おこし協力隊の2名も参加されました。一の瀬集住化エリアの管理している方、女性ハンターとして活躍したり、今後植林していく苗木の育苗をしている方も出席され、地域おこし協力隊としてのお話も聞かせていただきました。会場で使われていた会議机と椅子は、下川町産の木材を利用しており、温かみを感じる作りでした。11s-DSC03604.jpg
入浴後、下川町長さんも加わり交流会の席がもたれました。地ビールや地元の特産品を使った料理など、下川町のおもてなしをいただき、大変美味しくいただきました。12-1s-DSC03608.jpg
12月2日朝、町営の五味温泉の前で記念写真を撮り、今日の視察に出発しました。12-2s-IMG_4115.jpg
最初にこの温泉で利用している木質バイオマスボイラーを見させていただきました。売木村にも温泉があり化石燃料を使っておりますが、木質チップの供給さえできれば利用も可能かと拝見しました。13s-IMG_4118.jpg14s-DSC03609.jpg
下川町役場に戻ると新雪もあり、職員のみなさんが出て除雪をされておりました。道路には融雪水路が埋設してあり、そこへ雪を捨てておりました。15s-IMG_4126.jpg16s-IMG_4128.jpg
大雪の中、森林組合の作業員が仕事をしている現場を視察に行きました。17s-IMG_4134.jpg下川町の山はなだらかです。こんな大雪の中でも仕事はできております。行く途中、見渡す限り町有林といわれておりましたが、その通りの景色に出会いました。19s-IMG_4146.jpg20s-IMG_4150.jpg
植林したなり、間伐をせずにおけばどうなるか等、実験をしている林も見させてもらいました。18s-IMG_4139.jpg
現場に着くと、雪の中でも重機を使用して作業をされておりました。間伐し集積した木材を玉切りして、検尺をした材を掴んで上手に元を揃えて積んでおりました。21s-IMG_4161.jpg22s-IMG_4162.jpg雪の中でも機械を使った作業は働く人に負担なくでき、またなだらかな斜面での作業は売木村と違い、危険もなく楽にでき、冬でも仕事ができることが大変良いことだと思いました。

町内から搬出される木材を使って集成材も作られております。
24s-IMG_4169.jpgこの日は中を見せていただくことはできませんでしたが、地元材を使って割り箸や造作用集成材を作っておられるそうです。23s-IMG_4167.jpg
雪が強く降る中、下川町森林組合を視察させていただきました。25s-IMG_4174.jpg森林組合では、木炭製造、燻煙処理木材、円柱・防腐処理材、土木資材、おが粉の生産を行っております。鉄製の炭窯が4つあり、1つの炭窯で1.5tの生産能力を備えております。27s-IMG_4177.jpg26s-DSC03618.jpg搬出される炭は、燃料用、建築用、土壌改良・園芸用、融雪用等に出荷されております。木酢液に製材された木材を漬けて、腐敗防止処理をし、枕木や外壁材、木道・木柵などの土木資材として出荷されております。28s-DSC03619.jpg
出た廃材でおが粉の生産をし、畜産農家が敷きわらの代わりにおが粉を使用しております。また、女性のみなさんは、枝打ちされた木からモミ、トドマツの葉っぱを採取してきて、それを原料にアロマオイルの製造をしておられます。29s-IMG_4184.jpg木の香りのする枕、石鹸、化粧水などの販売も手掛け、女性の目線で活動されております。売木村でもヒノキのアロマオイルの製造もできるのではないかと思ってお話を伺いました。

その後、一の橋集落を訪ねました。ここは、昭和35年当時は2000人を超える人が住まわれていたようですが、現在は約150人に減少してしまった集落です。ここは、高齢化により限界集落となってしまった集落をエネルギー自給や集住化を図るためのモデルエリアとして開発されております。30s-IMG_4206.jpg独居や高齢者への食事サービスを中心とする地域食堂(コミュニティレストラン)を備え、また、集住化を図るため住宅の建設を行っております。住宅は3LDK 2戸、2LDK12戸、1LDKメゾネット8戸、その他に住民センター、ボイラー施設を備えた建物群です。住民センターには郵便局も入っております。37s-IMG_4214.jpg31s-IMG_4208.jpg木質ボイラー施設32s-DSC03627.jpg住宅棟の様子
建物外壁には、木酢液に浸し燻煙処理をした木材が使用されています。33s-IMG_4207.jpg住宅棟の廊下は屋内のため、ほんのり温かい気がしました。34s-IMG_4200.jpg断熱材が入った玄関ドアは重厚感があります。35s-IMG_4201.jpgボイラー施設で温められた温水を利用した暖房機。各部屋にこたつやストーブはなく、この時期でもワイシャツで過ごせるそうです。36s-IMG_4202.jpgまた、光ファイバーを利用したテレビ電話も備えられ、この施設に入居されていない老人世帯もここを拠点に見守りができるようになっております。その見守りを地域おこし協力隊員が担っております。

地域おこし協力隊のみなさんが営業している地域食堂で昼食をいただきました。38s-IMG_4190.jpg39s-IMG_4191.jpg地元食材を使った天ぷらうどん、焼きおにぎり、ホッケフライなどをいただきました。
ここにおる地域おこし協力隊の一人に長野県麻績村出身の女性がおられました。
長野県には帰らないのですかとお尋ねすると、親が健康なうちはこちらで頑張りたいと話されておりました。今の仕事に生きがいを感じておられることがうかがえました。
ここで使われている香辛料は、七味ではなく、五味でした。五味温泉に引っかけたのですね。40s-IMG_4196.jpg

14時過ぎに一の橋を出て、下川町役場に戻りました。
二日間に渡り案内をいただいた環境未来都市推進課長の長岡さんにお礼を申し上げ、役場を後にしました。41s-IMG_4216.jpg丁寧に対応していただき、町おこしにかける熱い思いを聞かせていただきました。目標を持ってそれに向かい政策を進めていくことが補助事業をうまく取り入れていけるコツだと感じました。売木村にとって参考になることばかりでした。二日間、本当にありがとうございました。s-IMG_4218.jpg
夜、札幌の狸小路で明日からの視察でお世話になる㈱アトリエアクの鈴木社長を囲んで交流会を行いました。54s-IMG_4219.jpg地元の人でなくてはわからない素晴らしいお店を紹介していただき、出てくる料理が美味しく、楽しい一夜を過ごすことができました。最後には名物のジンギスカン鍋をいただきました。55s-DSC_0654.jpg

12月3日の朝アトリエアクの事務所を訪ね、イコロの森の設計から建設に携わったお話をお聞きし、また、北海道の住宅の断熱やエネルギー利用のお話をスライドを使ってお聞きをしました。56s-IMG_4223.jpg57s-IMG_4224.jpg
実際に自宅を断熱改修されており、そこに回り工事の様子や使われている断熱材を見させていただきました。58s-IMG_4225.jpg苫小牧に向かい、イコロの森ガーデンの視察を行いました。この時期は花も終わってしまっておりましたが、宿根草の植栽状況、森の活用状況などをガーデンの中を散策しながら説明をしていただきました。59s-DSC03648.jpg60s-DSC03662.jpg春から秋にかけていろいろな花が咲き、その時々に山の色が変わり長く人が訪れる、そんな森づくりをされておることがお話の中から伺うことができました。ぜひ花の時季にもう一度訪れたいと思っております。61s-CIMG1046.jpg62s-DSC03656.jpg森の中のウッドランドガーデン62s-DSC03672.jpgガーデン建設以前からある森を整備して散策できるようになっております。62s-IMG_4245.jpg売木村の遊休農地を利用して、順々に花の咲く村づくりも進めていきたいと思っております。
森のレストラン「トマティーヨ」で昼食を済ませ、昔ながらの炭窯、木材を利用したビニールハウスを見せていただき、千歳空港へ向かいました。63s-DSC03643.jpg64s-IMG_4266.jpg65s-IMG_4265.jpg66s-IMG_4267.jpg
鈴木社長には視察の打ち合わせや案内など、二日間に渡り同行いただき、実のある視察ができました。この視察を通して村の目標を掲げ、それに向かい進めることが大切であることを改めて勉強させてもらいました。見ただけで終わらないように、施策に反映できるよう努めて参りたいと思っております。63s-IMG_4264.jpg67s-IMG_4270.jpg夜8時半、無事役場に到着しました。

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信州の南の端。峠に囲まれた小さな山里、うるぎ村。